「保釈」にはどのような種類がありますか。

2017年01月17日(火)00:43

(1)必要的保釈(権利保釈)

被告人といえども、有罪の判決を受けるまでは無罪の推定を受けます。一方、長期にわたる身体拘束は、被告人に大きな肉体的・精神的ダメージを与え、その社会的信用も傷つけます。

そこで、保釈の請求があった場合には、例外的な場合を除いて原則保釈を認めることになっています。ここでいう例外的な場合とは以下のような場合をいいます。

  • ① 今回の事件が一定の重大犯罪である場合
  • ② 一定の重大犯罪の前科がある場合
  • ③ 常習犯と認められる場合
  • ④ 証拠隠滅を行う可能性が認められる場合
  • ⑤ 被害者など、証人として出廷するであろう一定の者を脅したりする可能性が認められる場合
  • ⑥ 被告人の氏名又は住居が分からない場合

実務上、必要的保釈(権利保釈)の請求が却下される理由として最も多いのは、証拠隠滅を行う可能性があるということです。したがって、権利保釈を獲得するためには、弁護士と相談の上、証拠隠滅の必要性も可能性もないこと,例えば,捜査段階で罪を認めて自白し、共犯者・被害者を含む関係者と内容が一致した供述調書が作成されており、公判で証人尋問等が行われる予定がないことなどなどを主張していく必要があります。

また、弁護士を通じて親族や身元引受人となってもらえる人と連絡をとり、充実した内容の保釈請求書を裁判所に提出することが有効です。

(2)裁量保釈

上述した①ないし⑥に該当する事由があり、必要的保釈が認められない場合でも、裁判所が適当と認めるときは、裁判所の裁量で保釈がなされる可能性があります。これを裁量保釈といいます。裁量保釈は、保釈の必要性が高く、身元・住所もはっきりしているような場合に認められます。

裁量保釈の決定にあたっては、事件の性質、犯行の態様、犯行に至った事情、被告人の性格・経歴、家族関係・職場環境などが考慮されます。裁量保釈の決定を得るためには、例えば、被告人が通院を必要とする病気にかかっていることを証明する診断書や、被告人の宣誓書などを提出して、保釈の必要性と相当性を訴えることが考えられます。また、これ以上会社を休むと解雇される可能性が高いといったことも保釈の必要性を主張する理由となり得ます。

実務上、権利保釈は認められないが裁量保釈は認められるとされる事例は多数あります。ただ、裁量保釈が認められる条件については、はっきりとした基準があるわけではありません。保釈について詳しい弁護士に相談して対策を練るのが有効といえます。

(3)義務的保釈

勾留が不当に長くなった場合には保釈を認めなければならないとされています。ただし、この義務的保釈が認められることは実務上まれです。

 

餅は餅屋というように、法律のスペシャリストである弁護士に任せるのが一番の近道です。
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